2008年05月02日

日本の上下水道技術者

<ODA>
日本はバーチャル・ウォーター(仮想水)の大量消費国との評価を受けています。一方、日本のODAのうち「水と衛生分野」の二国間ODAの実績は、世界全体の40%を占め、世界的には大国の位置にあります。

タイ・カンボジア・フィリピン等の水道は日本のODA資金で建設されて、これらの国民の公衆衛生の向上に大きく寄与しているのは事実です。しかし、近年、世界的な上下水道事業の民営化の波によって、ODA資金で建設された上下水道事業はフランスやイギリスの民間企業へ事業譲渡が行われています。日本のお金で建設して、海外企業が事業運営する構図です。

<日本企業は実績がない>
維持管理や事業経営の分野では、平成14年に水道法が改正されて、やっと民間企業が参入できるようになった程度ですから、民間企業の海外実績はまったくありません。このため、数社を除いて、日本の上下水道技術者は、国内だけが唯一の活躍の場になってしまっています。

<2CHから>
時折、自宅で2CHの上下水道のコンサルタントサイトを見ます。縮小する市場のなかで、上下水道技術者の疲弊している現状が読み取ることができます。書き込みをしている年代は30歳台に思えますが、定年を65歳と考えると、あと30年間、この業界で飯を食えるのか、極めて深刻な問題を示しています。

<国内から出られない技術者>
上海在住の日本人の話によると、中国で活躍するため日本人が求められる水準とは、
・専門分野の技術
・TOEIC850以上
・HSK(中国漢語水平考試)8級以上
当然、日本語はネイティブ。他の国でも同様な水準が必要なようです。
しかし、国内で上下水道の技術者のうち、この条件を満足する技術者はきわめて少数です。したがって、巨大なマーケットが存在する海外市場への進出が、国の政策とともに技術者側の対応も遅れ気味です。

<新しい世代の登場>
ところが、この条件を満足する20歳代、30歳代前半の日本人が、内需企業でも激増している事実もあります。35歳前後の就職氷河期の人たちの背中を見ながら、キャリアアップしてきた世代の出現です。上下水道業界も、この年代に期待したですね。
  
タグ :水道技術者

Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:36Comments(0)TrackBack(0)水道