2008年11月12日
都市鉱山
都市鉱山は東北大学の先生が、家電製品などの廃棄物を、金属資源の潜在的な「宝庫」としてとらえ提唱した概念です。最近、廃棄された携帯電話やパソコンの部品から希少資源を回収するなどの対策が進められ、都市鉱山という概念が再評価されています。最近、都市鉱山についてはテレビでよく特集を組んでいますから、言葉としての認知度は上がっています。
貴金属等のリサイクル会社である横浜金属のホームページによると、「携帯電話1トンから金150グラム」が取り出せますが、鉱山から採掘する場合は「3トンから10グラム」取り出せるのにすぎません」都市鉱山の効率性の高さに注目しています。
メーカーによって異なるのですが、携帯電話の基板には1台あたり約6.84mgの金が含まれます。2006年度における携帯電話の回収量は662万台ですから、回収した携帯電話の中には、約43kgの金が含まれていたことになります。
<なぜ鉱山>
物質・材料研究機構による2008年1月の推計によると、日本の都市鉱山には金が6,800トン存在と推定され、これは世界の金埋蔵量の16%に相当します。また、銀は60,000トンで22%、インジウムは61%、スズは11%、タンタル10%が存在するとされる。
このような金属資源のうち、金はIC電極材・接触電極、銀は電極材、インジウムは液晶用の電極・LED、タンタルはコンデンサ材料に使用されています。
<課題は何か?>
課題は大きく分ける「法整備」と「技術」。
<法律がない>
2001年4月1日、「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」が施行されていますが、対象となる家電製品は、エアコン,テレビ(ブラウン管式),家庭用冷蔵庫・家庭用冷凍庫,洗濯機の4品目。
この法律はゴミの減量化を目的にしたもので、都市鉱山の概念はなく、金属資源の塊であるPC、携帯電話、CDプレーヤー、液晶テレビ等の電子機器が対象になっておらず、回収のシステムが存在しません。さらに、これらの廃棄された製品は中国へわたり、環境汚染を引き起こしていることも、よく知られています。
したがって、第1の課題は、資源の回収率が低いことです。2006年度には携帯電話の買い換えが約2100万台に対して、回収した携帯電話は662万台。相当数が個人の手元にあると考えられているのですが、いずれ廃棄されるでしょう。
法律で回収するかどうかは別として、何かの「回収システム」と「回収しやすい製品設計」が必要です。10年前、ある県庁所在地の廃棄物処理計画を行ったことがあるのですが、当時は都市鉱山の概念すらなく、何も提案できていなかったことが悔やまれます。
<技術の確立>
第2の課題はリサイクル技術が成熟していないことです。現在の技術水準では、電子部品から金や銅などを回収できますが、レアメタルは回収されず廃棄処分されています。技術が確立するまで、廃棄されたトンネルや鉱山跡に貯留するシステムも必要で、本当の意味で都市鉱山ができます。
<オール ジャパンで>
文部科学省による「元素戦略プロジェクト」と、経済産業省による「希少金属代替材料開発プロジェクト」とここでも縦割り行政です。また、廃棄物に係る法律は環境省の所管になります。プロジェクトは別々に進めるのではなく、オール ジャパンで都市鉱山を開発することが望まれます。
タグ :都市鉱山
この記事へのトラックバックURL
http://ngcon.shiga-saku.net/t152595





