2009年11月27日
ミネラルウォーター
単身赴任のおじさんです。滋賀県で、琵琶湖を水源とした水道水を飲んでいますが、夏場の異臭味の水はとても飲めません、どうしても飲む水は、ヘットボトルの水を飲用してしまいます。そこで、ミネラルウォーターについて調べて見ました。
1970年代頃から水道水の水質をめぐって種々の問題が顕在化してきました。すなわち,水道水源の湖沼や貯水池における富栄養化現象に伴うカビ臭の問題,浄水場で消毒や酸化処理に用いる塩素により生成する発ガン性物質など副生成物の問題,水道水源で使用される農薬など化学物質の問題,普通の浄水処理をすり抜ける原虫(クリプトスポリジウム)の問題,水道管に使用されてきた鉛の問題など,水道水のおいしさと安全性に関して次から次へと問題が持ちあがってきた.そのようなことから消費者の間に水道水に対する不安と不信が広がり,浄水器やミネラルウォーター類の販売量が増加している.
では,ミネラルウォーター類の生産量・輸入量を,日本ミネラルウォーター協会(2005)の資料で見てみよう.図.1はミネラルウォーター類の国内生産量および輸入量の推移である.農林水産省のガイドライン(1990)によると,ミネラルウォーター類は次の4つに分類される.
①ナチュラルウォーター:特定の水源から採水された地下水を原水とし,沈殿,濾過,加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの。
②ナチュラルミネラルウォーター:ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(地表から浸透し,地下を移動中または地下を滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水)を原水としたもの。
③ミネラルウォーター:ナチュラルミネラルウォーターを原水とし,品質を安定させる目的等のためにミネラルの調整,ばっ気, 複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているもの。
④飲用水またはボトルドウォーター:上記以外のもの.
図のミネラルウォーター類はこれら4種類の合計量であるが,その90%前後はナチュラルミネラルウォーターである.ただし,最近はナチュラルミネラルウォーターの比率がやや減り,ボトルドウォーターの比率が増加する傾向にある.いずれにしてもミネラルウォーター類は国内生産量も輸入量もここ20年弱の間に大幅に増加しているのがわかる.
図.1 ミネラルウォーター類の国内生産量・輸入量
(日本ミネラルウォーター協会,2005).
(日本ミネラルウォーター協会,2005).
一方,図.2に都道府県別の生産量の推移を示した.ここに取りあげたのは2004年の全国シェアが1%以上の上位14道県である.山梨県の生産量が顕著に多く,全国の40.9%(2004年)を占めている.次いで,兵庫,静岡,鹿児島,富山の順となっている.富山は国内生産量の5.5%を占めており,水の豊かさを象徴する結果となっている.これらの道県は水資源に恵まれたところではあるが,それよりも,富士山,南アルプス,北アルプス,立山,六甲などといった水環境が良いというイメージが前面に押し出されるとともに,大手の飲料メーカーの進出があり,生産量が多い.逆に,生産量の少ないところには徳島,香川,福岡,佐賀といった水資源賦存量の少ないところが多い.
図.2 ミネラルウォーター類の都道府県別生産量
(日本ミネラルウォーター協会,2005).
(日本ミネラルウォーター協会,2005).
これらのミネラルウォーター類は全国で何種類ぐらい販売されているのだろうか.すべての銘柄が登録されているわけではないが,「全国版 ミネラルウォーターのラベル情報 検索マップ」(スパーク株式会社,2005)には,2005年12月現在,輸入品を除くと535銘柄が登録されている.地下水や湧水を採取したナチュラルウォーター,ナチュラルミネラルウォーターがほとんどであるが,成分調整したもの,最近では海洋深層水などもこの中には含まれている.都道府県別に見ると,銘柄数の多い上位5道県は,山梨(71銘柄),鹿児島(64銘柄),富山(36銘柄),北海道(25銘柄),長野(23銘柄)となっており,図.2の生産量の多いところである.兵庫(9銘柄),鳥取(3銘柄)などにおいては、生産量は多いが銘柄数は必ずしも多くない.
ミネラルウォーター類の水質はどうか.上記の「ラベル情報」でナチュラルウォーターの中から温泉水・鉱泉水のように高濃度の成分を売りものにした銘柄は除くとともに,採水地が同じで銘柄の違うものは1銘柄だけを採用し,さらに,ナトリウムイオン(Na+),カリウムイオン(K+),マグネシウムイオン(Mg2+),カルシウムイオン(Ca2+)の主要4成分の濃度表示がある全国の91銘柄と輸入品9銘柄について検討してみよう.これにより,地下水水質の全国的な特性の一端を見ることができる.ちなみに,他の成分についていうと,炭水化物(糖質),脂質,蛋白質を表示しているものは多いが,当然すべて0mg/100mLであり,これら以外はほとんど表示がなされていない.表3はナチュラルウォーターの主要4成分の濃度と硬度について地域別に見たものである.硬度についてはラベルに記載されている値ではなく,マグネシウムイオンとカルシウムイオンの値から計算したものである.いくつか特徴をあげると,以下のようである.
・ ナトリウムイオンとマグネシウムイオン濃度は東北と九州で高く,カリウムイオン濃度は九州で高い
・ カルシウムイオン濃度,硬度は東北,九州,関東で高い
・ 中国・四国は4成分とも低い
・ 北海道,中部,近畿および富山は全国平均に近い
・ 輸入品には高濃度のもの,硬水が多い
・国内品は一部に硬水のものもあるが,ほとんどが軟水である。
表3. ナチュラルウォーターの成分
最近では、水道事業体が、ペットボトルを製造販売するケースもでており、水に対する供給形態の変化が著しいと思います。
ペットボトルで飲用することが、ファッション・文化になっているような状況の昨今です。
滋賀県の単身赴任のおじさん
Posted by
西日本技術の環境調査員
at
07:28
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