2010年08月12日
夏の夜話(Ⅱ)
誰よりも遅く釣り場に入り、誰よりも早く竿を納める。お気楽釣り師のルールです。
が、その日は珍しく夕方まで鮎竿を握っていました。
9月の声が聞こえる鮎釣りの川は、夕暮れが近づくと涼しさを通り越して肌寒さを感じます。
見回すと、あれほど多かった釣り人の姿もほとんど消えていました。
『しまった!真面目に釣り過ぎた!』後悔と共にあわてて竿を仕舞います。
ヘッドライトを点灯して山越えの峠道は飽きるほど通いなれた道。コーナーでは軽くタイヤなど鳴らしながら快調に家路を辿ります。
もうすっかり日は暮れています。
『あー、今日は疲れたけれども面白かった!だけどやっぱりもうちょっと早く終わろう。』
途中で感じた眠気など無理やりに目を見開いてやり過ごし、家まであと15分くらいの辺りまで帰って来ました。
道は緩い下り坂。坂の底から緩く左にカーブして遥かな頂上辺りに水銀灯の明かりが見えています。
5~6台で一団となった対向車最後尾の車が水銀灯の辺りを通過したとき、まだ距離があるのではっきりとはわからないのですが、車の直ぐそばに人のような気配。『危ない渡り方をしよるなぁ~!』何気なく思っていました。
私の走行方向には先行車無し、後続車無し。単独走行です。
5~6台の対向車列と順々にすれ違い、最後尾の一台とすれ違う直前に激しい違和感を感じました。 ん?! 何か変?! 何だ??????
はっと気が付きました。
対向車の右後輪とセンターラインの間を黒いズボンと黒い靴の、膝から下だけの足が急ぐでもなくスーッ、スーッというペースで歩いています。
『ヘヘヘッ な~んや!ただの足や~(大笑)』。
ぎくっ! 次の瞬間凍りつきました。
思わず振り返って見ようとしても車列は闇のかなたへ‥
あー!足が、足が、足が‥ %$”&?∞±≠§#%£¢
何も見なかった事にしておいて下さい。
はい。私は何も見ていません。
環境分析部:だじゃれはだれじゃ
Posted by
西日本技術の環境調査員
at
07:28
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