都市型発電は騒音と振動を利用して

西日本技術の環境調査員

2009年05月18日 07:28



電圧でスピーカーを振動させることができるのであれば、逆に音や振動から発電できる」

音や振動で電気ができる。基本理論は昔からあったのですが、発電効率が悪すぎて捨てられていた理論。しかし、特殊な素子(圧電素子:ピエゾ素子とも呼ばれています)を開発し発電効率を飛躍的に上昇させ、実用化へ。
騒音・振動という公害要素を利用(減少)する理想的な都市型発電(音力発電)です。
東京駅(発電床)での実証実験が終わり、首都高速道路藤沢市役所(4月7日)に導入され、アメリカのエアバスからも共同研究の打診が。これは慶応大学発の技術です。

<特殊な素子?>
エレクトリックギターは、外部から与えられた振動を圧電効果により電圧に変換することで、振動を電気的に検出します。ここで使われているのが圧電素子。圧電素子は超薄型のスピーカーにも使用されています。これを発電装置として利用したのが音力発電の原理。

<高い発電能力>
首都高の他の路面にも装置を設置することが検討されており、首都高全体に敷設されると、火力発電2~3基分に相当する発電能力があるとされています。
施工はアスファルト舗装のときに特殊な素子を埋め込むだけですから、本格的に採用されると都市型の発電システムになります。

<リモコン革命へ>
また、テレビのリモコンへの応用も検討されており、毎年10億本も消費される電池が消えることも予想されています。人の声で発電する基礎技術も確立されていますから、携帯電話への利用も考えられ、今後は効率をどのように上げていくかが実用化のカギ。

<副次効果も大きい>
私が注目しているのは振動や騒音による発電だけではなく、副次的な作用。騒音や振動を電気に変えるということは防音や免震対策に使えるということです。騒音が減ると環境対策になりますし、振動が減ると土木構造物の寿命が延びます。インフラ整備の費用は莫大ですから、本格的な実用化が待たれるところです。

<徘徊して発電>
騒音や振動を利用して発電ができるならば、靴の底を改良して歩きながら発電も可能。休みの日の散歩距離は最短でも10kmですから、発売されたら使ってみたいですね。重くても結構、むしろ靴を買うときは筋肉トレーニングとして重たい靴を買うのですから。
歩いて発電した電気はどこで使う?
道路の騒音・振動調査もなくなりますからハゲにライトを当てて「二つ目のお月様」になります

関連記事