「食べる」ことは「生きる」こと

西日本技術の環境調査員

2011年05月17日 07:28




料理は全く得意ではありませんが、料理本を読むことが昔から好きで新品でも古本でも自分の気に入ったものはちょいちょい集めています。

実際に作れるかどうかというよりは、掲載されている料理の写真を見て「なんかいいなあ」と思ったもの(ちょっと古めかしいものを好む傾向があるようです)を選ぶので、実用書というよりはコレクションの域に入ってきています。

私の料理本収集癖の発端となったのは、城戸崎愛さんという料理研究家の方のお料理です。

小学3,4年の頃に、「赤毛のアンの手作り絵本」という本に出会いひどく感動しました。

この本は、小説に出てくる料理やパッチワークキルトなどを再現しながら「赤毛のアン」の場面を追っていくという「写真+挿絵+レシピ」形式の本だったのですが、当時小説「赤毛のアン」に激ハマリしていた私には夢のような本で、中でも自分の想像をはるかに超えた料理の数々に大興奮でした。

それから何年も経って、たまたま見ていた料理本にあの「赤毛のアンの手作り絵本」に載っていたお菓子と全く同じものを見つけた時、はじめて城戸崎さんが「手作り絵本」の料理部門の担当をしていたことを知りました。それからは城戸崎さんの大ファンで、本を見つけたら買うようになりました。

城戸崎さんのわりと最近の本で「伝えたい味」(集英社/2008)というものがあるのですが、レシピはもちろんのこと、各料理にまつわるエピソードや、色々な思いが書かれていて、本当にいい本でした。戦中の激動の時代を、ご自身の病気をも乗り越えて、長年料理にたずさわってこられた城戸崎さんの強さを垣間見ることができます。

そんな城戸崎さんが本の中で繰り返し言われている「食べ物は生きる力の源」という言葉は、「時間がないから食べるのが面倒くさい」、「早く簡単にできるものを」と考えがちな最近の自分には考えさせられるものでした。

時間をかけて作られるシンプルだけど温かい城戸崎流の料理に、今週末こそはチャレンジしたいなあと思っています。



分析部:
  はじめて一人でお菓子を作ったとき、チョコを直火にかけて溶岩石のようにした奈良っこ


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