2009年01月10日
青い水が出た
水が青く見えるのは、「光が水に当たり、青い光が散乱され、赤い光が吸収されるため」で、海や湖は青く見えます。しかし、ときどき、蛇口から青い水が出てきたり、水が蒸発した後に青い筋が残ったりする現象が報告されます。原因のほとんどは銅です。水道事業体から給水された水から、銅が基準を超えて検出されることは、ほとんどありません。昨年の暮れから、数件、青い水にまつわる検査依頼が来ています。それで、今日は青い水の話。
<青い水>
水道から給水している場合、問題になるのは給湯器。地下水の場合でも同じ。銅は熱の良導体ですから、給湯器内部の配管に使用されています。さらに、給湯器は水温が高いことから銅の溶出量は増加します。
一般的に溶出は微量ですが、遊離炭酸の多い水、pHの低い水の場合溶出量は増加します。したがって、水道事業体によっては銅管の使用を認めていないところがあります。
<銅による障害>
金属的な味・臭い、青い水、銅を含む水が蒸発して銅が残る場合のほかに、石鹸と反応して「銅石鹸」となって容器、タイル、洗濯物が青くなることも報告されています。
銅イオンは微量であってもイオン化傾向の差でアルミニウム器具、亜鉛めっき鋼管、鉄製品などの腐食を促進します。
<健康への影響>
人間にとって必須元素で、人体に対する毒性は低いと確認されています。また、蓄積性は認められていませんから慢性中毒になることはありません。しかし、過剰摂取の場合、肝臓・腎臓障害を引き起こします。
<地下水>
銅鉱山、銅精錬工場、めっき工場の排水から検出されることがあります。また、農薬に由来して銅が検出されることもあります。
なお、地下水を飲用する場合、自己責任になりますから、水質検査を行うことが大切です。検査を依頼する場合、一般的な地下水検査項目ではありませんから、必ず「銅」を追加する必要があります。
<和同開珎も銅>
西暦500年ころ、銅鐸・銅剣が渡来し、武蔵の国秩父郡で鉱脈が発見され和同開珎が鋳造されたとしています。
Posted by
西日本技術の環境調査員
at
07:28
│Comments(
0
) │
水道