2009年03月17日
第5回世界水フォーラム
2003年、京都・滋賀・大阪を会場に行われた世界水フォーラム(第3回)が、3月16~22日、トルコのイスタンブール(第5回)で開催されます。今回の基本テーマは「水問題解決のための架け橋」。
主要課題は「持続可能な発展のための水供給」、「発展を可能とするメカニズム」。
水は人類にとって、経済発展、生態系の維持に不可欠なものですが、管理や投資が不十分などの理由によって、多くの人々が必要な水関連サービスにアクセスできない状況にあります。水資源の効果的な利用や管理について話し合われますが、第5回世界水フォーラムの主なテーマは次のようなものです。
<主なテーマ>
農業分野での持続可能な水管理
水道料金
上下水道システムの財源水資源のガバナンスの改善
水関係の援助の監視
水関係インフラへの民間部門の参加
クリーンな飲料水の革新、衛生と水道供給を確保するための持続可能な融資
東欧・コーカサス・中央アジア諸国における水道供給
などのテーマが取り上げられます。
<皇太子さまもご出席>
なお、この第5回世界水フォーラムには、第3回、第4回に続き皇太子さまもご出席。国連「水と衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁を務め、講演が高く評価され、トルコ政府などから招待を受けています。
<水のグローバル企業が主役>
第4回がメキシコシティ、第5回がイスタンブール。共通点は水のグローバル企業がこれらの都市水道事業を受注していること。このため、水道の民営化色の強い国際会議といわれています。
前回、参加した日本人技術者によると、日本からの参加者は技術系が多いのに対して、欧米は技術者だけではなく公認会計士・弁護士も多く、会議への取り組み方が異なっていると話していました。改めて主要なテーマを見ると、技術系のテーマが少ないようです。
<水道事業の民営化反対論>
日本では労働組合が中心になって水道事業の民営化に反対していますが、世界的にはNPO等が反対しています。
世界の水道事業の民営化に反対している人々は、これまでの水道事業体のサービスで十分であると主張しているわけではありません。現状の水事情を改善するためには非営利法人(NPO)等が運営するか事業に参画し、意思決定から運営、監視にいたる全てのプロセスに住民参加システムが必要と主張しています。
<商売の場です>
世界水フォーラムの会議の前、韓国の首相はトルコの首相と会い、防衛産業分野での協力関係強化、原子力発電所建設、高速鉄道の進出、電子政府構築事業の実現を求めています。
それで日本は?
Posted by
西日本技術の環境調査員
at
07:28
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水道