2009年08月10日

カドミウムの水道水質基準値の改正


カドミウムの水道水質基準値の改正

カドミウムは、銀白色の重金属で土壌中・水中・大気中に広く分布しており、食品にも環境由来のカドミウムが多少なりとも含まれています。また、工業製品にも広く利用されてきましたが、ご存じの通り、過去には「イタイイタイ病」など健康被害が大きな社会問題となりました。

最近では、食生活の変化に伴い、米の消費量も減少していることから、日本人のカドミウム摂取量は減少しているようです。
7月9日付の「日本水道新聞」の記事によると、厚生労働省は平成22年4月を目途に、カドミウムの水道水質基準値の改正を図るようです。現行の0.01mg/Lから0.003mg/Lに強化されそうです。
今回のカドミウムの水道水質基準値の改正については、食品における規格基準を国際基準に適合させる背景があるようです。

<日本の事情>
日本の場合は、米からのカドミウムの摂取量が食品全体の約半分を占めているようで、「米はカドミウムが1.0ppm以上含有してはならない」とされていました。当然、1ppm以上の含有が確認されれば、販売禁止、焼却処分となっています。

<世界の状況>
一方、国際基準の方は以前(食品添加物専門会議JECFA・暫定値として設定:89年)から食品影響評価として「耐用週間摂取量」としてリスク評価していたようで、今回、日本も耐用週間摂取量としてカドミウム7μg/kg体重/週に設定するようです。
また、米のカドミウムの成分規格についても1.0ppmから0.4ppmに改正されるようです。(関係者への影響の程はわかりません。)

ちなみに、一般的な日本人のカドミウム摂取量は耐用週間摂取量の7μg/kg体重/週より低いレベルにあるとされており、カドミウム摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性は低いようです。
WHO飲料水水質ガイドライン値においても以前(97年)から「耐用週間摂取量」カドミウム7μg/kg体重/週から寄与率10%として、体重60kgの人が1日当たり2ℓの飲料水を飲むと仮定し、0.003 mg/Lと設定されています。

 日本の今回の改正は、全国各地に鉱床や廃鉱山が多く存在し、米に含まれるカドミウムの濃度が諸外国に比べると高い傾向にあることと、米からのカドミウム摂取量が食品全体の約半分を占めている実態が影響している?のでしょう。
まあ、来年4月には、カドミウムの水道水質基準値の改正がおこなわれそうです。

                                         隣の鶴瓶さん Y.T 

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Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:28 │Comments( 0 ) 水道
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