2011年06月21日
琵琶湖総合開発と私たちの生活
琵琶湖総合開発は、昭和47年度に始まり平成8年度に終了した25年間にわたる一大国家プロジェクトでした。
琵琶湖の自然環境の保全と汚濁した水質の回復を図るとともに、その水資源の有効利用と住民の福祉を向上させるという目標を掲げて実施され、総事業費はおおよそ2兆円に上りました。
この結果、表に示しましたように大きな成果が上げられました。例えば、生活環境と水質保全を目的とした下水道の普及率はそれまでは2.5%でしたが、これが47%と全国平均に肩を並べるまでに整備され、琵琶湖に流入する有機物(表ではCODで表示)や窒素やリンが県民総生産の増加や生活様式の変化等による大幅な増加にも拘わらず、約6%も削減されました。
また、上水道の給水量は約2.7倍に増加し、それまでは全国平均値を下回っていた普及率が平成8年度では全国平均値を上回り全国第9位となりました。さらには瀬田川洗堰の流下能力の増大等により水害も少なくなりました。
生活環境や利水・治水が改善されたこと等により企業進出や設備投資が盛んになり、県内の総生産高は昭和47年度の全国31位から24位に上昇し、県民所得は全国11位から3位に大きく躍進しました。
しかしながら琵琶湖に係る課題が以下のように現在でも多くあり、今後とも世界に誇れる琵琶湖を次世代に引き継ぐための努力は継続して行く必要があります。
・ アオコや淡水赤潮の発生
・ 湖水の難分解性物質の増加
・ 市街地や山林・農地からの汚濁物質の流入
・ 琵琶湖の水位操作に伴う魚類産卵や稚仔魚の生育への影響
・ 渇水時水位低下による生態系への影響
・ 外来生物の繁殖による漁業への影響
若狭っ子
Posted by
西日本技術の環境調査員
at
07:28
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琵琶湖