2008年03月24日

滋賀県の地下水汚染

滋賀県も地下水汚染は結構ありますね。滋賀県は琵琶湖東岸と安土から八日市にかけて大きな2本の環境基準値を超過した汚染監視区域があります。そのほか、内陸部には塩素系有機化学物質を汚染物質とした汚染監視区域が散在しています。

 <琵琶湖東部>
草津市から湖北町にかけて琵琶湖の湖岸では、自然界に由来すると考えられる砒素(ひ素)が検出されています。ひ素が検出されている多くの井戸は、鉄分が多い井戸です。このため、水の色は黒く、見た目で飲めるとは思われないことから、直接飲用されることはありません。
メカニズムとしては、地下で嫌気性になって鉄が溶け出していくのと同時に、共沈していた、砒素が溶け出してくるものと考えられており、自然汚染と判断されています。
この砒素が自然的な要因か人為的な汚染かの判断は、同時にりんを測定すると良いでしょう。地下水は嫌気になっているので、りんも溶出してきます。

<安土から八日市>ここはトリクロロエチレンなどの塩素系有機物質が中心の汚染地域です。日本最大の広域地下水汚染という見方もされています。広域に分布する多数の工場が汚染源となっていることから「日本一の広域地下水汚染」と表現される方もいます。

<工場の対策>
一昔に比べ、大手企業の工場では、地下水汚染に対しては相当な対策が講じられています。原料や溶剤の転換を始め、モニタリング井戸の設置、近隣住民の説明会の実施、ホームページでの情報公開などは一般的に行われるようになってきました。コンプライアンス(法令遵守)がきいてきた感じです。

<滋賀県の対策>
昨年、滋賀県は公害防止条例を改正して、地下水の監視などを強化しようとしています。実質的な運用方法は、今年の夏から秋にかけて発表されるのではないかと感じています。環境省も、10年度に操業中の工場を対象に含めた指針の策定に向けて動き出しています。これからは土壌汚染や地下水汚染の情報から目が離せません。


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Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:35 │Comments( 0 ) 土壌・地下水汚染
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