2008年10月24日

太陽光発電は損か得か?


本題に入る前に、昨日のNHK「クローズアップ現代」の「水ビジネス」。ここに出てくるのは経済産業省。厚生労働省でも国土交通省でもありません。
日本の水道界が生き残る戦略は9月17日「水道産業の海外進出」、9月22日「ニューウォーター計画」をご覧ください。感度の悪い水道技術者向けに書いています。質問があったらどうぞ!

最近、再び太陽光発電のニュースが出てくるようになりました。
① 電力会社10社は2020年までに、合計で発電出力14万キロワットの設備を全国30地点に建設し、発電規模を現状比の33倍に引き上げる。電力会社は原子力発電を柱にしていましたが、トラブル続出で原発の利用率は上がっていません。このため、太陽光発電などの新エネルギーを利用するというもの。
② 今回の補正予算で太陽光発電機器を購入する世帯に約20万円を補助し、標準的な機器(約200万円)を約1割安く買えるようにする。

<補助金もらっても損?>
問題は②の設置補助金。安く買えるのはGood.。
① しかし、設置時補助金として20万円もらったとしても、福田ビジョンなどで「3~5年待っていれば太陽光発電機器は半額になる」としています。したがって、結局高い買い物になるという疑問。家庭用の太陽光発電機器システムは200万円弱ですから、5年待って100万円を選択する人はたくさんいますよ。
② 現在は中止されている補助金を復活すれば、最近、補助金をもらわずに太陽光発電機器を設置した人との間に不公平が生じるのではないか、という疑問。
③ 家庭用の太陽光発電機器の損益の試算によれば、元がとれるのは、汎用タイプの4.01kwで約15年3ヶ月。補助金をもらったとしても14年弱。5年待って元がとれる期間が7年になるならば、設置を考える人はたくさんいるでしょう。一般的な企業ならば採用することがない長期間です。ただ、太陽光発電のシステムの耐用年数は30年とされていますから、以後15年間、光熱費はかかりません。

私は太陽光発電を否定しているのではなく、この補助金は費用と効果の関係が示されておらず、「環境」の名前のもとのバラマキじゃないかと思うだけです


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Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:28 │Comments( 1 ) 環境
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太陽光発電、2009年の国の補助金、あなたはもらえません。なぜなら、、、
2009年の太陽光発電の補助金がもらえない! 【 サンヨー太陽光発電と激安情報 【三洋PVマニアックス】 】at 2008年10月29日 09:06
この記事へのコメント
通りすがりの、太陽光発電設置済みの者です。
いわゆる福田ビジョンの機器半額という話は、システムを自身で設置したことが無い人による、半分以上デタラメな無責任な言葉としか捉えられません。
確かに技術の進歩によりある程度の値下がりは期待できますが、「半額」という数字は少なくとも今の機器に対してはいささかオーバー。
モジュールやインバータだけ半額になっても、その他の工事費が掛かって来るので精々30%OFF(この数値だけでも大きいことは大きいですが、現実の時点でも値引きが入るので全て定価ということは無いです)。
開発中の新しい技術の物は、安く出来るという物がいくつかありますが、実績が無い分耐久性に疑問が残ります。
仮に300万のシステムが耐用年数30年に対して、100万のシステムが耐用年数10年では、一般住宅の場合恒久的に屋根に設置するという性質上、10年毎更新が必要になるようなシステムは安くても屋根に対する影響や廃棄物の面からも好ましいとは思えません。
設置していない人は必ず「元」にこだわりますが、同様の金額レベルである自動車を買う時に「元=購入価格」ということで「元が取れる」と捉える人が居るでしょうか?
「沢山使ったから元を取った」という言い方をする方もいらっしゃいますが、車はどう使っても、購入金額にプラスして金を消費するだけで永久に元は取れません。
太陽光発電は本当に少しづつですが、必ず設置金額に近づいて行きますし、例えば夏、晴れていればあえて節電に協力することなく、電気を売りながらエアコンを使うという利便性も得られます。
折角太陽光発電に興味があるのに、福田さんの無責任な発言の「半額」を期待して待ち続ける方は、この間、更に無駄にエネルギーとお金を使い続けることになってしまうのではないでしょうか?
Posted by sakura at 2008年10月24日 09:23
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