2009年01月16日

オバマ大統領で戦争が始まる


アメリカの経済不況の歴史をみると、景気浮揚の方法は2つしかありません。ひとつはニューディール政策を代表とする公共投資、もうひとつが戦争です。20日、バラク・オバマ次期米大統領が正式に大統領に就任します。彼が公共事業か戦争の道を選ぶのかを考えてみます。

<オバマの環境政策>
オバマ次期大統領は、アメリカは「脱石油」、新しいエネルギー経済を追求しなければならないと強調しています。「21世紀経済再生計画」によって、再生可能エネルギー等への長期的な投資を行い、産業を活性化し、いわゆるグリーンジョブ(自然エネルギー、省エネ、エコカー生産など)で500万人(300万人の説もあります)の雇用を創出していくという考え(グリーン ニューディール政策)を示しています。日本も真似するようですね。
これが基になって、工場労働者のブルーカラー、事務系のホワイトカラーに対して、環境対策を仕事とする「グリーンカラー」という概念が生まれています。

<温室効果ガス対策>
京都議定書は甘い」といい、排出量取引を導入、2050年までに温室効果ガスを80%削減する目標も掲げるなど、環境政策はブッシュ政権から大きくチェンジします。
また、キャップ・アンド・トレードの導入に関しては、温室効果ガス(GHG)を制約するための初期割当について100%オークションとすることを主張しています。国連主導で、G8にBRICS加えて「主要排出国グローバル・エネルギー・フォーラム」を設立することを提案し、特に、中国とインドに対してはGHGの厳しい削減に向けたコミットメントを求める方向です。

<環境戦争>
大前研一は選挙期間中の彼のスピーチを次のようにまとめています。
アメリカは戦争を選ぶ。相手は地球環境を破壊する人類共通の敵である。もはや各国で敵・味方に分かれて争っている場合ではない。人類が一丸となって、地球破壊者と戦うべきだ」。
すなわち、オバマは環境破壊者に対する全面戦争を宣言します。これは、イラクやアフガニスタンのような武力による戦争を求めているのではなく、戦争のように環境破壊者と戦うため、環境に公共投資を行うという意味です。これは環境戦争という公共事業を積極的に行うことで、現在の金融危機を救う方向と考えられます。

<日本は>
ケインズはこういっています「穴を掘って埋めるだけで経済効果がある」。だとするならば、タヌキとか熊しか通らないアスファルト舗装をめくって木を植えましょう。タヌキやイタチには便利な専用道路が再びできあがります。
これにはアダム・スミス見えざる手が働いて、滅びることによって自然が戻り、お客さまが来ます。これも事業戦略のあり方です。


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Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:28 │Comments( 1 ) 環境
この記事へのコメント
■オバマ次期大統領 「日本を追い越せ」 代替エネルギー倍増で世界をリードする姿勢-黄昏EUの二の舞にならないように・・・・?!
こんにちは。オバマ政権、環境問題にずいぶん力を入れるようです。しかし、EUなどの老練・老獪な連中の術策にはまらないように、正しい方向性で頑張っていただきたいと思います。間違っても、大々的な二酸化炭素排出権取引などにのりだすようなことのないようにして欲しいものです。排出権取引は、現実には、サブプライムローンよりも低劣なデリバティブ商品です、もし、これを証券化するなどして、大々的に行えば、早ければ数年後、遅くても十年後には金融危機の再来です。いずれにせよ、正しい方向性で環境問題に取り組んで、実効性のある政治を行っていただきたいです。私のブログでは、最近撮影されたオバマ次期大統領の正式肖像も掲載してあります。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。
Posted by yutakarlson at 2009年01月18日 10:40
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