2009年01月22日

新型インフルエンザで何人死ぬ?


<厚生労働省の推定>
厚生労働省の「新型インフルエンザ対策行動計画」では日本の流行規模を次のように想定しています。
日本では人口の約1/4(3,200万人)の人が感染し、医療機関を受診する患者数は最大で2,500万人と仮定。また、過去に流行した最悪のスペインインフルエンザ(1819年:大正7年)のデータに基づき、入院患者は200万人、死亡者を64万人(致死率2%)と推定しています。

<世界銀行>
昨年秋、世界銀行が発表した新型インフルエンザによるパンデミック(爆発的な流行)の予測被害規模によると、世界の死者数は最大で2億5,000万人。経済損失は世界のGDPの5.5%に相当する377兆円。

<何が問題か?>
予測には誤差がつきものです。しかし、予測の前提が崩れると、結果は誤差の範囲でとどまりません。

<感染率>
厚生労働省は日本の人口の25%が感染するとしていますが、車社会のアメリカでも30%です。日本の都市部の移動手段は公共交通機関ですから、人口の集中する都市部を中心に爆発的な感染も否定できません。

<致死率>
厚生労働省は感染者3,200万人うち、致死率を2%として死亡者を64万人と予測しています。モデルとしたスペインインフルエンザ(スペインかぜ)のウイルスは弱毒型といわれています。現在、世界中が問題視しているのはH5N1の強毒型のウイルスです。
WHO(2003年9月~2009年1月)のデータでは感染者393人のうち248人が死亡(致死率63%)。特に、免疫力の強い10~20歳代は強い反応を示すことから致死率は高いものとなっています。したがって、スペイン風邪の致死率2%はあまりにも小さい感じを受けます。
現在、鳥インフルエンザが流行している国はベトナム、中国、タイ、エジプト、インドネシア等です。したがって、医療体制が整う日本の場合、致死率は割り引いて考える必要はあります。しかし、予測の前提が弱毒型ですから、問題の強毒型ではありません。
インフルエンザは人から人へ感染するうちに弱毒化するという説もありますが、致死率2%と現状の致死率63%はあまりにも大きい。なぜなら、スペイン風邪の大流行時と比べ、現代はその伝播速度が明らかに速い。

<ロウィー研究所>
オーストラリアのロウィー研究所の試算では、弱毒型のウイルスでも日本国内で210万人死亡と推定しています。なお、同研究所の全世界で死亡者数は1億4,200万人としていますから、世界銀行の予測死者数2億5,000万人になれば、日本はどの程度の死者数になるのでしょうか?また、弱毒型の予測ではどのような結果になるのでしょう?
また、実態経済への影響は?
それよりもベトナム、中国、タイは、私の準フランチャイズ。新型インフルエンザで死にますか?


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Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:28 │Comments( 0 ) 環境
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