2009年02月25日
機能水って?
以前、三重事務所に勤務していたとき、同じフロアーの大手製薬会社の社員が作っていた「電解水」。毎朝、7時すぎに出社してくるエライさんが、水道水をポットに汲んで、その水を電気分解していました。「酸水」と「アルカリ水」に分けて、「酸水」は消毒用、「アルカリ水」は飲用に使用するとか。
製薬会社の社員が造っている水ですから、科学的な安全は考慮されているハズです。しかし、水道局をはじめとする水道業界では「電解水」を飲むことや利用することが、まだ常識にはなっていません。
<機能水>
機能水は、「人為的な処理によって再現性のある有用な機能を獲得した水溶液の中で、処理と機能に関して科学的根拠が明らかにされたもの、及び明らかにされようとしているもの」と定義(日本機能水学会)されています。
このうち「電解水」は機能水の代表的な存在ですが、ハウス食品が特定保健用食品として販売している水溶性食物繊維入りの水(食物せんいのおいしい水)も機能水。
機能水(電解水、オゾン水)と呼ばれるためには「品質(生成原理、生成機器と生成水の規格)」、「有効性」および「安全性」に関して公に受け入れられる科学的根拠を示すことが必要になります。
<酸性の水は>
電解によって酸性側にできた電解水は洗浄消毒など衛生管理に用いられ、殺菌性電解水と呼ばれています。用途は医療や歯科の消毒用だけではなく、食品あるいは農業など多様な分野に用いられます。
特に、農業分野では、電解水の殺菌効果が明らかになってきており,種子の殺菌や野菜の鮮度保持への利用、接ぎ木、挿し木での活着率の向上などの報告例があります。環境保全,健康、安全面から殺菌剤の使用を減少さることができれば、材料が水ですから、コスト面から有利に働くことも考えられます。
また、プールの消毒用塩素に代わり、消毒機能を持ったプール水としての利用も考えられます。
<アルカリ性の水は>
アルカリ側にできた水(アルカリイオン水)は「胃腸症状の改善効果」があるとされています。慢性下痢、消化不良、胃腸内異常発酵、制酸、胃酸過多に効能効果が確認されており、便秘に対しても改善効果が認められています。(機能水研究振興財団の資料)
2005年の薬事法改正が行われ、アルカリイオン整水器のJIS化の動きをきっかけに業界全体で認知度を向上させようという動きがあり、今後、市場は拡大すると見られている。
<工業用水>
工業用水の世界では、半導体やフラットパネルディスプレイの精密洗浄分野で、機能水は利用されはじめています。使われる機能水は気体添加型が多く、薬品添加型は気体添加型の機能を向上させる目的で付加される場合が多い。
<ニセモノや詐欺も多い水の世界>
機能水は、これからさまざまな用途に使用されると思われます。水道水をベースにした市民の機能水の利用はこれからです。
しかし、健康になる、あるいは病気やガンが治ると宣伝されている「水」など、科学的に根拠が立証されていない「水」も多いのも事実で、注意が必要なところです。
Posted by
西日本技術の環境調査員
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07:28
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水道