2009年04月03日
オオサンショウウオが動き出す
だいぶ暖かくなってきました。そろそろ水温も上昇しオオサンショウウオも動き出す季節。(なお、オオサンショウウオは冬眠しません)
毎年、護岸の整備で隠れ場所を失い、大雨で流されたオオサンショウウオが保護されるニュースが流れます。このオオサンショウウオは河川の生態系のトップに立つ動物ですから、自然環境の指標生物として調査されています。
<オオサンショウウオ>
「チュウゴクサンショウウオ」、「アメリカサンショウウオ」と並び日本固有種で現生両生類最大の「オオサンショウウオ」が知られています。
保護上の位置付けは「特別天然記念物」。
<オオサンショウウオの呼び名>
「サンショウウオ」のサイトを見るとオオサンショウウオの呼び名はいろいろあるようです。からだを半分に裂いても生きていそうな動物、あるいは、からだが半分に裂けているような大きな口の動物から、昔は「ハンザキ」を標準和名としているのが通説。
なお、滋賀県では「やぶどじょう」と呼ぶ場所もあるようですが、かなり年配の人が使い、社内の環境調査では使ってはいないようです。また、やぶどじょうはオオサンショウウオではなくカスミサンショウウオではないかと本物の環境調査員は考えています。
*京都府のレッドデータブックによるとカスミサンショウウオを京都方言で”はたけどじょう”、”やぶどじょう”と呼ぶとしています。たぶん、この主張が正しいと思われます。なお、カスミサンショウウオも京都の「絶滅寸前種」に指定されています。
<サンショウウオとオオサンショウウオの違い>
オオサンショウウオはただ大きいだけではなく、サンショウウオとは生態も異なります。
サンショウウオは子供のころは水中で暮らし、大人になると陸上などで生活し、繁殖の時に再び水辺に戻ります。
一方、オオサンショウウオは一生水中で暮らします。しかし、肺呼吸ですから1時間に1回くらいは空中に顔を出します。
オオサンショウウオは動くものに何でも反応し、噛み付きます。ですから、指程度なら食いちぎられる可能性があり危険ですから見つけても触らないほうが、いいですよ。
<昔は食べていた>
オオサンショウウオは、特別天然記念物に指定される以前は食用にされていたようです。カブトガニはタイでシーフードとして食べられますが、オオサンショウウオは日本固有種ですから一生食べられません。もっと、早く生まれているとよかった。
美食家として有名な北大路魯山人は、オオサンショウウオを食べるためにさばいたとき「山椒」(さんしょ)の香りがするので「山椒魚」の語源と推測しています。しかし、実際にオオサンショウウオを触るとベタベタしており、山椒の臭いはしないと本物の環境調査員は言っておりました。
ゲテモノ&激辛で有名な私は、サンショウウオを食べるためにさばいたとき「胡椒」(こしょう)の香りがするので「胡椒魚」?の語源と推測しています。
<日本ハンザキ研究所>
オオサンショウウオを調査研究しているNPO法人に「日本ハンザキ研究所」(兵庫県朝来市生野町)があります。今日のマークはここから頂いたもの。
日本ハンザキ研究所はオオサンショウオの専門研究機関だけではなく、オオサンショウオ博物館(あんこうミュージアムセンター)、そして環境学習・交流施設があり観察会も行われています。オオサンショウオの文献もそろっていますので、オオサンショウオファンだけではなく専門家の方も満足できるようです。
ところで、「日本ハンザキ研究所」はオオサンショウオだけではなく、日本酒についても専門的な知識を持つ人がおり、日本酒についても研究していると私は推測しています。
Posted by
西日本技術の環境調査員
at
07:28
│Comments(
1
) │
環境
この記事へのコメント
また見に来ます。
Posted by R at 2009年04月03日 21:21