2009年05月25日

NHK特番「環境と景気」のアンケート


NHKの〝予定調和なし〟の生放送番組「日本の、これから」から、ブログ担当者宛にアンケート調査が届いていました。会社として統一見解はNHKにお示しすることができませんでしたので、アンケートにはお答えいたしませんでした。ここではブログ担当者として、アンケートをお答えしたいと思います。なお、アンケートは昨日(24日)に締め切られています。

<番組>
NHK:日本の、これから
テーマ:環境と景気
放送:6月20日(土)午後9時~10時49分(生放送番組)

<状況>
「オバマ大統領が新しい環境政策=「グリーン・ニューディール」を発表。環境やエネルギー分野に集中的に投資を行い、新たな需要や雇用を生み出し、景気回復のきっかけにしようとしています。エコ家電購入時のポイント制度の導入や環境に優しい車への買い換えに対して税制優遇を行うなど、様々な対策が始まりました」

環境への投資で景気回復できるのでしょうか?
環境対策と経済発展は両立できるのでしょうか?
私たちは環境対策のためにどこまで負担できるのでしょうか?

<アンケート内容>
Q1:オバマ大統領のグリーン・ニューディール政策が経済を活性化させるか?
A:ケインズの「穴を掘って、埋める。これだけでも経済効果が認められる」とすると、恐ろしくムダと思える環境やエネルギー分野への集中投資は、経済活性化の効果はあると考えます。
また、求められる技術は従来の延長上の技術ではありませんから「教育」が必要になり、ここでまた新しい雇用が生まれてきます

Q2:日本版グリーン・ニューディール政策が雇用状況を回復させるか?
A:カンフル剤として、少なくても効果はあると思います。しかし、現状の対策が中心であって「未来の日本の姿」が見えてきません
個人的には未来に向けて「選択と集中」が必要と考えています。
また、公共投資は景気回復の「誘い水」であって、「群がるものではない」とも考えています。

Q3:環境対策のために助成制度を活用して、家電や自動車を買い換えたり太陽光パネルを設置したりしようと思いますか?
A:ここで問題になるのは、補助制度が打ち切られた後の対策です。ソーラーパネルの生産が世界トップの座から滑り落ちた現実を見ると、次も考えておかないと。

Q4:太陽光発電の普及のために電気料金が上がることをどう思いますか?
A:失敗事例も多いのですがフィード イン タリフのための料金値上げは、やむを得ない。制度設計をきちんと行えば反対も少ないと考えています。

Q5:環境対策のためにコストを負担することについてどう思いますか?
A:例えば、アメリカの試算では、スマートグリッド構築に投資すれば電力料金は約1割下がります。投資に対する利益は需要者に還元されることになります。
‘90年代の日米構造協議の結果、日本は600兆円以上の公共投資を行っています。52兆円は1/10以下の投資で、エネルギーの根本的な解決へ向かうことができます。

Q6:今回の環境政策で日本の再生可能エネルギーを増やすことができると思いますか?
A:技術的、開発コストに課題を抱えていますが、日本近海の「」、「メタンハイドレート」、「地熱」あるいは「音力発電」等、日本には未利用で可能性のある資源が眠っています。今回の政策では、再生可能エネルギーを増加させるための投資額は十分ではないと考えています。

Q7:「環境対策」と「経済発展」は両立すると思いますか?
A:今求められているのは、石油を中心にした産業から再生可能エネルギー産業への構造の変化です。「産業界が反対の声」とありながら、一方、輸出産業からは「世界で戦いたい」企業もたくさんあるのも事実ですから両立します

Q8:今後日本が環境分野で世界的な競争に勝ち抜いていけると思いますか?
A:再生可能エネルギーに係る研究者の数、研究費ともEU、アメリカと比較して少ない。
経済の視点から未来の環境技術を語る経済リーダー、環境技術の動向から経済を読み解く環境リーダーが少ない。このため、未来の環境経済学や環境政策を決定することができず、世界の潮流の後ろから付いていかざるを得ない

Q9:日本の環境対策は、今後どのようなものであるべきだと考えますか?
A:日本近海に生息するセルロース系「藻」からバイオエタノールを採取する、あるいは「メタンハイドレート」採取のための実用化技術開発等、長期的な投資展望が欲しい。

この論議で忘れてはいけないことは、石油、石炭、天然ガス等は有限な資源です。したがって、いずれはなくなります。この対策として、再生可能エネルギーの開発・研究を進めておくことは、今後の日本を語るうえで大切なことと考えています。


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Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:28 │Comments( 0 ) 環境
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