2010年09月28日
子どもの健康と環境
化学物質と聞いて、皆さんはどんなイメージをお持ちですか?
「化学工場や研究者がつくる物質で、何だか危険なもの」
「身の回りにあるが、何にどの位入っているか判らず、不安を感じるもの」
などが一般的だと思います。
アトピー、食物アレルギー、シックハウス症候群など人体への影響は一人ひとりの感受性の問題と思う反面、昔はなかったのに何だか最近よく話題に上るようになったと感じませんか。
特に自分の子どもがこのような病気になると、親はとても心配します。
<エコチルってなんだ?>
実際、最近の子どもたちに図のような症状が増えてきているとのことです。
身の回りにある化学物質を中心とした有害物による子どもの成長に与える影響を明らかにしようと、環境省は「子どもの健康と環境に関する全国調査」 (通称、エコチル調査)を始めました。
これは、日本中で10万人のお母さんと子どもを対象にした大規模な疫学調査です。
赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳になるまで定期的に健康状態を観察するなかで、環境要因が子どもたちの成長や発達にどのような影響を与えるのかを明らかにしていこうというものです。
胎児期から母乳栄養期までの子どもは、重金属や化学物質の感受性が高く、その子の生涯の健康を左右するといわれていますし、第2次性徴期にかけても環境ホルモンなどの影響を受けやすいといわれています。
エコチル調査の概要を、今年の環境白書から引用します。
エコチル調査によって子どもたちの成長や発達に影響を与える環境の要因が明らかになれば、生産者の自主的な取り組みや化学物質規制の審査基準への反映、また環境基準の設定など、各種の政策に反映されてくると思われます。
<環境と健康>
過去に起こった数々の文明の崩壊は、水や食糧など資源の不足、病気の蔓延、外敵の侵略によって引き起こされてきました。
子どもたちの健康への影響は、次世代の活力を奪い、その社会を徐々に衰退させていきます。
私たち人類は、生活の利便性を追い求め、数々の化学物質を生み出してきましたが、その中には意図せず有害な物質まで生み出してしまいました。たとえばPCBやフロンは、開発当時は画期的な化学物質としてもてはやされましたが、その後、発がん性や内臓疾患を引き起こしたり、オゾン層破壊をもたらすことが判明しました。
環境問題は、私たちの健康や命と密接に関係しています。
環境分析部:テラ・ガーディアン
Posted by
西日本技術の環境調査員
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07:28
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