2008年10月28日
カーボンオフセット
有名なカーボンオフセットのプロバイダーから、パンフレットをメールで送っていただきました。カーボンオフセットとは「自分で削減できなかった二酸化炭素排出量を他者が行った二酸化炭素排出量で相殺(オフセット)すること」を示すビジネス用語です。
具体的には、二酸化炭素削減プロジェクトで削減される二酸化炭素量に相当する二酸化炭素排出権を購入することによって、プロジェクトに対する資金を間接的に供給することです。
<資金提供>
集められた資金は植林(新規植林、森林保全)、環境技術(太陽光発電、水力発電、風力発電、バイオマス発電、省エネ、メタン回収等)のプロジェクトに供給されます。
<カーボンオフセットの目的>
パンフレットの対象者はCSR、社会環境、マーケティング、ブランディング、経営企画、広報の担当者であって個人ではありません。地球温暖化防止を軸にCSRとマーケティング、に活用するものとしています。したがって、カーボンオフセットは企業イメージや企業ブランドに利用するものと考えるべきものです。
<21世紀型の免罪符?>
カーボンオフセットにはさまざまな意見があります。イギリスが作りあげたISOと同じ虚業ビジネス。まともに努力しているものが報われない。そもそも二酸化炭素が地球温暖化の原因か?
カーボンオフセットは21世紀型の免罪符なのだから、それはそれでいい。
十字軍の免罪符と異なる点は「たとえ他地域であれ、実際にCO2削減というアクションが起きている」。「たとえ免罪符であっても何もやらないよりマシ。開き直ればいい」という意見もあります。
<監査>
基準を満たしているか、それを第三者によって監査することが必要です。いただいたパンフレットでは世界大手の監査法人が監査するとしていますが、このような監査を運用するには、相当な費用が発生します。これは環境関係の国際標準規格であるISO14001と同じシステムで、胴元のイギリスが普及すればするほど儲ける仕組みですね。
<日本は環境の先進国?>
世界銀行が調べた二酸化炭素排出量上位70カ国のうち、環境政策や環境戦略の日本の順位は62位。日本の環境政策がどこに向いているのかわからないとしています。
Posted by
西日本技術の環境調査員
at
07:29
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