2009年03月09日
フットプリント
最近、環境の世界ではエコロジカルフットプリント、カーボンフットプリント、ウォーターフットプリントと「フットプリント」と名の付いた言葉がやたらに出てきます。
フットプリント(footprint)は英語で足跡、(検証用の)足型、足紋のほか、(宇宙船の)着陸予定地点;(衛星の)予想落下地点、(衛星からの)電波受信可能域、机上型コンピュータの置き場所(プログレッシブ英和中辞典)。フットプリントは理系の言葉でした、
今日は「フットプリント」を整理しましょう。
<エコロジカルフットプリント>
【意味】 人間活動が環境に与える負荷を、資源の再生産および廃棄物の浄化に必要な面積として示した数値である(ウィキペディア引用)
【用途】 国や行政単位の環境負荷を数値化
【算出方法】 1) 農作物の生産に必要な耕作地、2) 畜産物などの生産に必要な牧草地、3) 水産物を生み出す水域、4) 木材の生産に必要な森林、5) 二酸化炭素(CO2)を吸収するのに必要な森林、などを合計した値として計算(環境goo引用)
【単位】 ha,gha(グローバルヘクタール)
<カーボンフットプリント>
【意味】 個人や団体、企業などが生活・活動していく上で排出される二酸化炭素などの温室効果ガスの出所を調べて把握すること。炭素の足跡。別名カーボンラベリング、二酸化炭素(CO2)の見える化。(ウィキペディア引用)
【用途】 個人・家庭、企業単位の温室効果ガス排出量の把握
【算出方法】
《個人・家庭》電気使用量、水道(下水道)使用量、ガソリン使用量、ゴミ排出量等にそれぞれ原単位をかけて算出。
《企業》栽培・採掘、製造・加工、包装、輸送、廃棄の過程で排出される温室効果ガスを求め、1製品あたりの排出量を求める。
【単位】 g-co2eq、kg-co2eq、t-co2eq
<ウォーターフットプリント>
【意味】 食料輸入によって輸入国が自国で食料を生産する場合に比してどの程度の水資源が節約されたかを推計した仮想的な量。
【用途】 主に穀物の輸出入による水需給のバランスを表している。(NTTデータ経営研究所引用)
【算出方法】 栽培期間、水の使用量、蒸発量を推定し算出。実際は水資源量と水利用量を一日単位で解析。
【単位】t
ウォーターフットプリントは生産地(輸出国)で実際に消費された水資源量。輸入国にとってはバーチャルウォーターになります。
バーチャルウォーターとは、消費国(輸入国)でもしそれを作っていたとしたら必要であった水資源量。
同じことが温室効果ガスにも当てはまり、輸出を含めた「生産ベース」と輸入を含めた「消費ベース」二つの指標が必要と思います。
ここで注意しなければならないことは、「第3次環境基本計画における指標の活用等に係る検討委員会」の配布資料「総合的な環境指標のこれからの検討課題」のうち、地球環境分野の不足している環境情報・環境統計として、次の項目を挙げています。
・ 地球温暖化防止対策のうち、森林吸収源の情報
・ (地球温暖化関連で)国内外の将来の流れが大まかに把握できる予測データ
・ 経済活動から環境統計へつながるデータ(分野を超えて分析する必要のあるデータ)
・ 精度の高い小規模事業所の排熱データ
現在、環境の指標は精度が悪く、GDPなど世界に共通する指標のレベルにはもちろん、ビッグマック指標のレベルにも達していないような気がします。世界レベルでの「環境指標」の研究は、始まってたったの20年ですから。
今後の研究者の成果に期待しましょう。
Posted by
西日本技術の環境調査員
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07:28
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環境