2009年03月16日

カーボンフットプリントの試験販売

カーボンフットプリントの試験販売


京都最大の三条商店街にある西友三条店カーボンフットプリント(炭素の足跡)の「市場調査事業試験販売」が行われています。関西で参加は西友三条店だけが参加しており、13日から17日までの試験販売。この試みはネットで知らせるだけで折り込みチラシ等の宣伝は行っておりません。

カーボンフットプリントの試験販売

散歩のついでに西友三条店の食料品売り場に行ってきました。
1階から地下に降りる踊り場でアンケート調査。試験販売しているのはインスタントラーメン、ポテトチップ、ノート、歯磨きペーストなど。製品ごとに二酸化炭素排出量を明記しています。

<カーボンフットプリントとは?>
カーボンフットプリントの定義は、商品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を二酸化炭素排出量に換算して、当該商品及びサービスに簡易な方法で分かりやすく表示する仕組みのこと。いわゆる、二酸化炭素の「見える化です。

<アンケート調査内容>
カーボンフットプリント調査票の内容は次のとおりです。
Q1:マークが商品に表示されている商品を購入しましたか?  (欲しいものがないので買っていません)
Q2:何をどのように計算したものかわかりましたか?     (総量しか示されておらず、LCA(ライフサイクルアセスメント)計算の中身が伝えられていません。わかるわけがない)
Q3:マークについて、あなたのお気持ち【デザインや親しみやすさを聞いています】  
Q4:商品のCO2排出量が表示されることについて、あなたの気持ち【信頼できる、商品を選ぶ基準、関心がある等を聞いています】
Q5:商品にCO2排出量を表示している企業イメージ?     (立派な企業です)
Q6:商品を販売している企業イメージ?           (西友は苦戦しています)
Q7:あなたの性別、年齢、職業               (酒飲みのおじさんです)

カーボンフットプリントの試験販売

<売れていたか?>
1時間ほど、インスタントラーメンの売り場を中心にウロウロして見ていると、間違いなく売れています。写真は日清チキンラーメンが残り2個、隣のラーメンは全く売れていない状態。値段は328円で同じです。
ただし、現在のところ、買っている人はアンケート調査に答えている人ばかりで、相当意識の高いロハスかブログ用のネタ取材としか思えませんでした。

<CO2か値段か?>
これから、消費者は値段の他に二酸化炭素排出量という新しい価値を選択して商品を購入する時代に突入します。
例えば、インスタントラーメンのコーナーでは5袋328円と398円に別けて販売されていました。値段を選択するならば328円でしょうし、398円と高くても好みの商品を購入する人もいるでしょう。また、同じ値段であればCO2の少ない製品を購入する人もいるでしょう。
カーボンフットプリントは確実に消費者の消費行動に影響を与えると思われます。

<CO2排出量は自己申告?>
ときどき、私は二酸化炭素排出量の計算を行うのですが、ここで疑問がでてきます。

同じ製品であっても作られる工場の電力量の二酸化炭素排出量の原単位が異なります。例えば、原子力発電の比重が大きい電力会社から受電している工場で作られた製品は、少ないCO2排出量になります。また、メーカーは工場ごとにラベルを作るのでしょうか?
さらに、「発電時にCO2 を出さない」原子力発電をグリーンエネルギーとした経済産業省の定義にマーケッテイング担当者は悩むでしょうね。

廃棄・リサイクルでも同じことが発生します。今の計算では、便宜的に「1kg埋立時のCO2排出原単位」としていますが。例えば、A市とB町のゴミの取り扱いは、分別方法、処理方法が異なります。したがって、CO2排出量にはばらつきが発生します。

「おおむね」と考えると近い数値は出てきますが、精度はどのレベルで行うのでしょうか?
事業者と消費者が一体となった地球温暖化対策の促進が目的ならば、商品別の基準も含めて、消費者にはもう少し説明が必要です


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Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:28 │Comments( 1 ) 環境
この記事へのコメント
二酸化炭素の見える化・・。
ナイスアイデアです。
目に見えないから意識が薄いのかもしれませんね。
Posted by kokoro at 2009年03月25日 16:48
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