2008年10月20日

世界自然遺産に落選の理由


金曜日夜、NHKニュースで「世界遺産」屋久島の観光客と自然保護のあり方について特集を放映していました。
1993年、屋久島白神山地が日本で初めて世界自然遺産として登録されています。2005年には、3番目の世界自然遺産として知床が登録されています。しかし、検討が行われながら暫定候補地から抜け出せない候補地が多数あります。
富士山の落選理由が「ごみ」だったことは有名ですが、今日は、その他の候補地の抜け出せない理由を調べてみます。

<検討項目>
検討項目は①クライテリアに照らした評価の可能性(地形・地質、生態系、自然景観、生物多様性)、②国内外の既登録地との比較、③完全性に関する評価(管理計画、保護担保措置)です。
暫定候補地のうち、日本の最も広い面積を持つ大雪山と唯一関西からエントリーの山陰海岸を例に見ましょう。

<大雪山>
北海道の大雪山は、原生自然環境保全地域、国立公園、森林生態系保護地域が指定等されており、指定地の全体の範囲の面積は日本で最も広いものとなっています。氷河期の遺存種であるエゾナキウサギや高山蝶を見ることができます。多くの火山タイプを含み、温泉も多数。日本では有数の観光地です。ここは「混合林」に分類され検討されました。

<大雪山の弱点>
しかし、次の点が評価されておりません。
・氷河自体を包含していないため、氷河地形としての完全性を満たさない
・指定地全体の範囲で見ると、厳しい規制がかかる区域の割合は低い
・火山性に着目した場合、すでに類似地区(カムチャツカ火山群(ロシア))がある。土曜日「世界不思議発見」を見た方は理解できると思います。
・動植物種に着目した場合、すでに類似地区(シホテ-アリン山脈中央部(ロシア・既登録地)よりも規模が小さい

<山陰海岸>
ただひとつ関西から候補地に挙げられたのが京都府兵庫県、鳥取県にまたがる山陰海岸。ここは「海岸地形」に分類され検討されました。この海岸線は天橋立を代表に海食崖、洞門、岩礁多数見られ、鳥取砂丘もあります。観光地としては少しマイナーですが、日本海の海岸形成を見ることができます。

<山陰海岸の弱点>
しかし、次の点が評価されておりません。
・一部地域では、人為的な改変が小さくない
・指定地全体の範囲で見ると、厳しい規制がかかる区域の割合は極めて低い。
・地球の歴史の主要段階では類似地区よりも規模が小さい

タグ :界自然遺産

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Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:28 │Comments( 0 ) 京都
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