2009年03月10日

クルマに乗って測量する技術


モービルマッピングシステム(三菱電機と早稲田大学の共同開発)は高精度GPS、マルチカメラ、レーザを車に搭載し移動しながら、周囲の映像や3次元地形モデルを取得できる移動体計測システム。車を走らせるだけで3次元の地図が出来上がります。デジタル処理した航空写真と比較しても精度は変わりません。この技術は他の技術と組み合わせると応用範囲は更に広がります。

この技術はITS(最先端の情報通信技術を使った高度な交通システム)には不可欠なツールになりそうです。

<どんなもの>
クルマの屋根に3台のGPSアンテナカメラIMU(慣性航法装置)、レーザスキャナーを乗せ、タイヤにはオドメトリ(車両移動量計測装置)を付けてトンネルなどの電波が届かない場所でも正確に場所をキャッチ。

人工衛星が使えない状態でもGPS/IMUとオトメトリの複合により連続的にデータを取得することができる優れもの。取得したデータを処理し道路形状、白線、地物、路面表示、標識等を自動認識して、高精度な3次元地形モデルの生成ができます。

<どこに使う>
ある建設コンサルタントの資料によれば、道路を中心にさまざまな用途があり、施設の維持管理災害兆候監視防災シミュレーションにも使える技術です。

・道路台帳の更新・新規作成
・トンネル調査・点検
・災害時の測量
・道路建造物調査
・デジタルオルソ画像の高精度化
・ITS(ナビゲーション用・道路走行画像データ作成)
・3次元画像を利用したゲームソフト

<上海では?>
道路走行画像データ作成の分野で、中国の代表としては同済大学(上海)。四川大地震でも、この大学が土木・建築・交通の復旧や被害の解析でナショナルセンター的な機能を果たしていました。GPS、ビーコンを用い、バスのロケーションシステムと最適管理運用システム(上海のバス停に時刻表はありません)を上海市から委託を受け、上海万博に向けITSを進めています。

自動車学院(学部)は上海の西、嘉定区にありますが、フォルクスワーゲンと同じ開発区(F1サーキット場もある)なので、フォルクスワーゲンとの共同研究も多い。
また、土木工程学院(土木技術学部)はコンピュータ工学、通信工学、電気工学、GPS/GIS工学、自動車工学の専門家を集めて学際的な研究を行い、GISを用いた路面や橋の管理、交通計画の研究を進めています。

少し気になるのが、ITSは国土交通省道路局の「スマートウェイ」,同省自動車交通局の「ASV」,警察庁の「DSSS」,経済産業省の「ユビキタスITS」などが乱立。
バラバラの基準の予感が


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Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:28 │Comments( 0 ) 海外&中国
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