2009年04月28日
山寨(パクリ)を合法化する中国
中国政府は中国国内で生産・販売するデジタル家電などIT(情報技術)製品の技術情報(ソースコード)を、メーカーに強制開示させる制度を5月に公表すると伝えております。中国側の理由は、「ソフトの欠陥を狙ったコンピューターウイルスの侵入防止など」を制度の導入目的に挙げています。対象はデジタル家電のほか、非接触ICカード読み取り機、デジタル複写機、現金自動預け払い機(ATM)等で日本の誇る先端技術。
当然、日本、アメリカ、EUは企業の知的財産が自国外に流出する危険性が高いとして反対。
これは山寨(さんさい=パクリ)を合法化する制度。
簡単に言えば、次のような戦略。
① 外国企業が製品のIT情報を公開
② その製品情報を中国企業が「合法」使用
③ それを利用した製品を製造して海外進出
④ 合法なので「海外から批判を受ける筋合いではない」
⑤ 一方、中国で開発したシステム情報は絶対に外へ出さない(当たり前ですが、中国以外では法律的に要求されない)
2月1日付けブログ記事で「中国の理系の国家重点大学では「知的産権学院」(日本では知的財産学部に相当)が作られ、自国の知的財産を守る動きが活発。
中国のパクリを笑って見過ごしているだけでは、将来、日本は負けてしまいますよ。」
と書きました。
中国に留学している日本人学生(本人は知的産権学院ではない)から、携帯電話の山寨機の現状や知的産権学院(学部)の授業内容を聞いて書いたものでした。このとき、「外国企業の製品情報を法律で公開して中国企業が利用すればパクリ(法律違反)と言われなくなる」戦略を採用したと話していました。
<日本は>
昨年5月、中国はこの内容について実施規則を発表していますから、学生でも知っている内容です。
しかし、この問題について、二階経済産業相は記者会見で「現在、中国側に問い合わせている」と言っています。また、マスコミもこの時期になって、小さい扱いですが、やっとこの記事が載るようになりました。
国家戦略のなさやマスコミの情報に対するセンスの悪さに1票
Posted by
西日本技術の環境調査員
at
07:28
│Comments(
1
) │
海外&中国
この記事へのコメント
おはようございます。中国のパクリと言えばやはり車が顕著になっていますね。日本のメーカーも訴訟沙汰になる程パクリは酷い?です。国際的に競争力を持つには日本のハイブリッドシステムのようにオリジナリティで勝負するのが世界に通用する第一歩か?
Posted by ESTIMA X at 2009年04月28日 07:48