2010年11月02日
秋の夜話
ハードな出張の帰り道でした。
頑張れば家まで後1時間半。だけど疲れから、目を開けていられなくなりました。
今ではその辺りはきれいに整備されていますが、その頃はまだ草ぼうぼうの空き地状態。堤防横は何処にでも車を突っ込むスペースがありました。
『寝る！』無理して居眠り運転で事故を起こすくらいなら、少し休んだほうが得策です。
エンジンを切り、シートを倒して寝る体制に入ります。季節は秋。ちょうど今頃。暑くも寒くも無く気持ち良い気候です。目を瞑ると虫の声が周囲から聞こえてきます。
突然ピタッと虫の声が止まりました。ん？とは思ったものの気にもせずうとうとし掛けた時、フロントウインド辺りからの強い視線を感じました。
目を瞑って寝ようとしているのに誰かに覗き込まれている感じ。それも悪意、或いは物理的な存在感を感じる視線です。
シートを倒したままフロントウインド辺りを見ましたが、何もありません。シートを起こして周りを見回しても夜の闇の中、月明かりor星明りで周りの草むらが見えるだけです。
念のため、車のドアにロックをかけました。
『あかん。大分疲れてる。神経が過敏になってるみたい。』一人で納得してもう一度寝ようとシートを倒しましたが‥目を瞑るとさっきと変わりないと言うより更に強い視線と気配が突き刺さってきます。
構わず寝ようとしましたが、一向に変化がありません。気になります。
『疲れから来る神経過敏。気のせい木の精、そう、私は森の精。エコエコアザラシ‥』間違ってるやろ！
あほくさい事を考えても何の足しにもなりません。
突然、視線或いは存在感が急に凝縮を始めました。
目を瞑っていてもはっきり感じられる気の動き、 エッ？エッ！エッ？！思う間も無く、いきなり意識の塊、或いは見えない存在感。つまりそいつが車内に侵入し、シートを倒している私の耳元を通り過ぎてリヤウインドゥ方向に過ぎ去っていきました。
意表をつかれて一瞬パニクリかけましたが何とか立ち直り、今の何？ 何だったの？ これが気のせい？ 目を瞑ったまま無理にでも説明をつけようとしましたが‥次の刹那‥！
そいつが今度はリヤウインドゥ方面からまたまた運転席と助手席の間を通り、フロントウインドゥ方向へ。
しかも皮膚が粟立つ様な、弱い風に吹かれるような、産毛が逆立つような‥なんとも表現しづらい嫌な感覚を伴って通り過ぎていきました。
訳が分かりません。ごめんなさい。すいません。私が悪うございました。参りました。降参、お手上げ、ギブアップです。眠気もすっかり覚めてしまいました。
そうだ！取り敢えずここを離れよう！
いつもなら家まで1時間半ほどの道のりを1時間足らずですっ飛ばし、無事帰り着く事ができました。
道が良くなった今でも、この時の記録は更新できません。
環境分析部：だじゃれはだれじゃ
Posted by
西日本技術の環境調査員
at
07:28
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