2008年09月23日

滋賀の名はどこから?


昨日、本箱の整理。「滋賀県 地名 姓氏 語源辞典」(1994 増井金典著 滋賀女子短期大学)が出てきました。読んでみると面白い。整理をやめて思わず読んでしまった。そこで今日は、滋賀県の地名キーワードをこの本の内容を引用して紹介させていただきます。発売時の金額が表示されていませんが350ページの大作です。今日は滋賀県を代表する地名を紹介。
ネットで増井金典さんを調べてみました。滋賀女子短期大学の名誉教授で、この本のほかに「滋賀県方言語彙・用例辞典」、「語源を楽しむ」、「笑われる日本語」等の本をお書きしています。
じゃ 笑われる日本語でブログを書きますか?

<滋賀>
語源はスカ(洲処)の音韻変化。
滋賀は「水ますます滋きを賀す」と水が一層豊かになることを祝う好字としています。湖岸付近には志那(草津市)、シマ、大須賀、シマの関の地名、洲処地帯の跡が多い。今も昔も琵琶湖とともにある滋賀県です。

<琵琶湖>
ご承知のとおり、楽器の琵琶の形で近世以降の言葉。近世まで琵琶湖の名が存在しないことから、この本ではミワ(水輪)の音韻変化は疑問視しています。

<比叡>
説1として、ヒ(比、従う)+エイ(叡運:天子の命運)。すなわち、天子の命運に従うこと。説2として、古代の本来語源は(そびえる)のヒエ。

<伊吹>
イ(石の多い)+フキ(ハシ、崖)で急傾斜地の意味。伊吹山は石灰岩の山ですから、そう言われると、そうですね。なお、琵琶湖が酸性の湖にならないのは、アルカリ性の石灰を含む水が琵琶湖に流入するからとされています。

<守山>
この本を読んでいて最大の収穫は守山。比叡山を守るという意味。比叡山は京都にとって鬼門で、さらに比叡山を守るのが、この守山。東門院、守山寺が根拠としています。

<草津>
説1として、草津川から、草の多い川尻の津(港、船着場)。宿場名となり現在へ。類似名として大津、塩津。説2は略、説3として、クサ(湿地)+津(港、船着場)

<矢橋>
草津市にある西日本技術コンサルタントの住所です。
説1として、矢作の地(伝承)ですが、証明する事実はないとしている。万葉の歌からは、矢の薮竹の取れる地。
説2として、ヤ(湿地)+ハセ(端)。湿地の端の港。ハセは、滋賀の方言で、端のこと。以前、会社の周辺の地形・地質を調べたことがあります。2,000年前は、現在の浜街道がちょうど湖岸だったことを考えると、説2を支持したいですね。

栗東は栗太郡の東という意味で「ナーンダ」という感じ。外からきた人間にとっては、ものすごく面白い本です。「滋賀県 地名 姓氏 語源辞典」は滋賀女子短期大学の図書館には必ず置いていると思います。自分に関る地名の由来を調べてみたら?


同じカテゴリー(滋賀)の記事画像
近江の浮舟
滋賀の避暑地?
歴史とロマンの矢橋
びわ湖検定びわ湖検定をご存知ですか?
安土散策
忠太郎食堂
同じカテゴリー(滋賀)の記事
 近江の浮舟 (2012-09-11 07:28)
 滋賀の避暑地? (2012-08-23 07:28)
 歴史とロマンの矢橋 (2011-01-17 07:28)
 びわ湖検定びわ湖検定をご存知ですか? (2010-01-04 08:28)
 安土散策 (2009-12-19 08:28)
 忠太郎食堂 (2009-10-24 08:28)
Posted by 西日本技術の環境調査員 at 07:28 │Comments( 0 ) 滋賀
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。