2008年12月04日
水道水に死角あり
12月1日の夕方、関西テレビ「FNNスーパーニュース アンカー」の特集「水道水に死角あり・・・貯水槽“汚染”の実態を」見た方も多いのではないかと思います。実際、私は見ていないので、ここでは内容を伝えることができません。しかし、この番組を見ていた方から「うちの貯水槽はどうなっているの?」という話がありました。
また、今日の朝刊では自殺者の遺体が受水槽の中に1ヶ月と伝えています。
私たちの会社は、水道法34条「簡易専用水道の管理の検査」(定期検査という言い方もあるようです)登録機関ですから、受水槽、貯水槽、高置水槽の水質問題、管理方法等については大いに関係する内容です。
<簡易専用水道と貯水槽水道>
水道法では、受水槽等の有効容量の合計が10m3を超えるものを簡易専用水道、10m3以下の受水槽等を小規模貯水槽水道としています。この設備の目的は、水道水の時間変動の調整とされており、水道水を貯留するものです。水道側では水質基準を満たした水道水を給水しますが、この貯留する施設がきれいに清掃されていない場合、水道の蛇口からきれいな水道水が供給できません。したがって、清掃と管理の検査が必要になってきます。
<市町の役割>
以前、簡易専用水道の検査は滋賀県の生活衛生課の役割でしたが、現在は市町に権限が移譲されています。簡易専用水道の検査の結果は滋賀県を通じて市町村に連絡され、市町村はこれを受けて簡易専用水道の所有者を衛生面から指導するシステムでした。
現在はこのシステムがなくなり、問題があり是正指導を受けた所有者が市町に報告する制度に変更されています。
<現在は>
ある滋賀県内の水道に聞いた話ですが、以前の制度では800を超える簡易専用水道のうち、1/3から1/4に不適箇所が報告されていた。しかし、制度が変わり、ここ2年間は1件も報告がないと、簡易専用水道を経由した水道水について、衛生面の不安を漏らしていました。
同時にビルの管理会社にも話しを伺ったのですが、清掃は実施しても自己責任となる管理の検査を行う所有者は大きく減少しているとのことでした。
<水道水の死角>
高度浄水処理された水道水が受水槽等に入ったとたん汚染されてしまう現実。水道側の責任ではなく水道水を飲む側の責任になり、受水槽等の汚染が原因で病気等を発生させると所有者の管理責任が問われることになります。
確かに、水道法の改正で自己責任が求められていますが、水道部局側もせっかく作った水道水を安全に需要者へ届けるためアクションを起こす必要があります。
Posted by
西日本技術の環境調査員
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07:28
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